AIは人間の価値を映し出す“鏡”

建設プロジェクトにおける信頼と創造力の重要性

2026-09-03 15:00
ターナー & タウンゼント株式会社

建設市場を取り巻く環境が大きく変化するなか、ターナー&タウンゼント株式会社(東京都港区)の代表取締役である梶浦が、市場の現状や業界が直面する課題、そして今後の展望について独自の視点から考察します。本シリーズでは、グローバルな知見をもとに、日本市場の未来を定期的に発信していきます。

今回は、建設業界における生成AIの急速な進化とコンストラクションマネジメント(CM)の未来について考察します。梶浦は、「AIは人間の仕事を奪う脅威ではなく、自分たちの本質的な価値を映し出す“鏡”である」と述べます。AIの活用が広がる時代だからこそ、人間に求められる役割や価値がより明確になり、CMの本質を改めて見つめ直す機会になると考えています。近年、生成AIは建設業界においても急速に普及し、情報整理や資料作成、データ分析など幅広い業務の効率化を実現しています。膨大な情報を短時間で処理し、高品質なアウトプットを生み出すことで、生産性向上の重要な原動力となっています。

一方で、プロジェクト固有の課題を理解し、多様なステークホルダーの利害を調整しながら意思決定を支援することや、信頼関係を構築することは、現段階では(またきっと今後も)人間にしか担えない重要な領域です。
梶浦は、AIと人間を対立する存在として捉えるのではなく、それぞれの強みを活かした共創が重要であると指摘します。AIが情報処理や定型業務を担うことで、人間はより高度な課題解決や意思決定、関係者との合意形成に集中できるようになります。今後のCMには、従来の工程管理やコスト管理に加え、不確実性の高いプロジェクトを成功へ導くための戦略的な視点やリーダーシップがこれまで以上に求められるようになるでしょう。また、人材育成のあり方も大きく変化すると考えられます。これまで若手人材が多くの時間を費やしてきた情報収集や資料作成などの業務は、AIによって大幅に効率化されることが予想されます。その結果、より早い段階から意思決定やステークホルダーマネジメントといった実践的な経験を積む機会が増え、CM人材に求められるスキルセットも変化していく可能性があります。梶浦は、「AIによって生まれた時間を何に投資するかが重要である」と述べています。効率化そのものを目的とするのではなく、その先にある価値創造に時間と知見を振り向けることが、企業やプロジェクトの競争力向上につながると考えています。

今後、AIの進化によって建設業界の働き方は大きく変化していくと考えられます。一方で、プロジェクトの成功に不可欠な信頼の構築や合意形成、複雑な状況下での判断といった人間ならではの価値は、今後も重要であり続けるでしょう。ターナー&タウンゼントは、AIと人の強みを融合させながら、お客様にさらなる価値を提供し、建設プロジェクトの成功に貢献してまいります。

代表取締役 梶浦久尚

大手ゼネコンをはじめとする建設関連企業で、7か国の駐在経験と40か国以上での協働実績を持つ国際プロジェクトの専門家。建設動向全般、国内外のプロジェクトマネジメント、プロジェクトコントロール、建設法・契約法・仲裁に精通する。

ターナー&タウンゼント株式会社について

ターナー&タウンゼントは、世界64か国で23,000人以上の社員を擁するグローバル 建設プログラム・マネジメント企業です。不動産、インフラ、エネルギー、天然資源分野のクライアントと連携し、世界中の市場において、大規模プログラム、プロジェクト、コストおよびコマーシャルマネジメント、ネットゼロおよびデジタルソリューションを専門としています。ターナー&タウンゼントは、世界最大の商業用不動産サービス・投資会社であり、重要インフラサービスの主要プロバイダーであるCBREグループの過半数株主のもとに置かれており、パートナーが相当規模の非支配持分を保有しています。

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