大規模災害時、病院はどう動くのか。こうのす共生病院が院内災害訓練を実施
トリアージ、患者搬送、医療機関との連携を確認、訓練で見えた課題を今後の改善へ

医療法人社団鴻愛会 こうのす共生病院(埼玉県鴻巣市)は、2026年10月12日、大規模地震の発生を想定した院内災害訓練を実施しました。
医師を含む職員が参加し、傷病者のトリアージや患者の受け入れ・搬送、医療機関との連携など、災害発生時に必要となる一連の対応を確認しました。
今回の訓練では、実際の災害時に近い状況を想定して各部署が対応に取り組む一方、情報伝達や人員配置、チーム間の連携などに課題も見つかりました。
当院では、訓練で得られた気づきを今後の体制整備や対応力の向上につなげていきます。
災害発生時の初動から、患者の受け入れ・搬送まで
訓練では、トリアージエリアを設置し、傷病者の緊急度・重症度を判定する対応を確認しました。また、患者の受け入れや搬送、災害対策本部との情報共有など、院内で連携しながら対応を進めました。
訓練の想定には、院内の電子カルテシステムが通常どおり使用できない状況も含まれており、紙の災害カルテを用いた運用についても確認しました。
大規模災害時には、通常の診療体制や情報共有の仕組みが十分に機能しない可能性があります。
限られた情報や人員の中で、必要な対応をどのように進めるかを確認する機会となりました。
医療機関との連携と患者搬送を実施

院外との連携では、他の医療機関との間で、救急車による患者搬送や相互の患者受け入れを実施しました。
また、他の医療機関とは電話で連絡を取り、患者の受け入れ可否の確認や、病床確保に向けた退院患者の受け入れ調整などを行いました。
災害時には、自院だけで対応を完結させるのではなく、地域の医療機関と情報を共有し、患者の受け入れ先や搬送先を調整することも重要になります。
今回の訓練では、こうした院外との連携についても確認しました。
訓練で見えた課題を、次の備えにつなげる
一連の対応を進める中で、課題も明らかになりました。
特に、トリアージエリアから災害対策本部へ電話で連絡し、必要な調整を依頼する場面では、連絡がつながらず、対応を円滑に進められない状況がありました。
電話での連絡が難しい場合に、担当者が直接情報を届けるといった伝達方法についても、十分に機能させる難しさが見られました。
そのほか、人員配置や役割分担、チーム間の連携、アクションカードに基づく行動などにも課題が残りました。
災害訓練は、手順を確認するだけでなく、実際に動くことで初めて見えてくる問題を把握する機会でもあります。
当院では、今回明らかになった課題を整理し、情報伝達の方法や役割分担、各部署の連携について見直しを進めていきます。
自衛隊による炊き出し訓練も実施
訓練では、自衛隊による炊き出し訓練も行われました。
災害時の医療提供を支えるためには、診療や患者搬送だけでなく、食事などの生活支援を含めた対応も欠かせません。
今回の訓練を通じて、医療活動とその周辺を支える体制についても考える機会となりました。
訓練を一度で終わらせず、災害対応力の向上へ
大規模災害時には、想定どおりに進まない状況が起こり得ます。だからこそ、平時から対応を確認し、訓練で見つかった課題を一つずつ改善していくことが重要です。
こうのす共生病院は、今後も災害時に必要な対応や院内外の連携について検証を重ね、地域の医療を支える病院として、災害への備えと対応力の向上に取り組んでまいります。
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