配管探査ロボット「配管くん」が世界へ 東京都の都政現場を活用した海外展開スタートアップ支援事業 「キングサーモンプロジェクト」で最終1社に選定 オーストラリア モートンベイ市の 水道インフラ維持管理に向けた現地実証を実施
株式会社弘栄ドリームワークス(本社:山形県山形市、代表取締役会長:船橋 吾一、以下 弘栄ドリームワークス)は、東京都が都政現場を活用してスタートアップのグローバル展開を支援する「キングサーモンプロジェクト 海外都市課題解決コース」において、オーストラリア・モートンベイ市で現地プロジェクトを実施する企業に選定されました。同市を舞台とする本コースで現地実証に進むのは、書類審査を通過した5社のうち1社のみです。
2026年6月に、5社がモートンベイ市による書類審査を通過しました。5社は実証内容を精緻化したうえで、2026年8月3日から7日までの約1週間、オーストラリア・モートンベイ市に渡航。現地の都市課題やインフラ環境を実地で確認しながら実証プランをブラッシュアップし、モートンベイ市に対して最終ピッチを実施しました。
モートンベイ市からは、「配管くん」が雨水管理や既存の配管設備が抱える課題に合致し、幅広く活用できる可能性があることから、今回の現地実証を行う企業に選ばれました。加えて、技術者育成を行う「KDWアカデミー」を含め、技術・人材・プロダクトを一体で提供できることも、弘栄ドリームワークスの強みとなりました。
今後は、建設設備の現場で培った知見をもとに開発した配管探査ロボット「配管くん」を現地に持ち込み、小口径配管の内部を調査しながら、人の目では確認することが難しい配管内部の状態や経路を可視化し、モートンベイ市が抱える水道インフラの維持管理課題の解決に活用できるかを検証します。

見えない配管の中を走り内部を可視化 配管探査ロボット「配管くん」
弘栄ドリームワークスは、人の目では直接確認することが難しい“見えない配管”を人に代わって調査するため、「配管くん」の開発を進めてきました。「配管くん」は、人が直接確認することが難しい小口径の配管内部を走行し、カメラ映像と位置情報を組み合わせることで、「配管がどこを通っているのか」「内部がどのような状態なのか」を可視化する配管探査ロボットです。
これまで国内では、鉄道関連施設やエネルギー関連施設、大規模商業施設、病院・介護施設、工場、公共施設など、幅広い現場で配管調査に活用されてきました。また、国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」にも登録されているほか、自治体が管理する公共施設での採用や、災害時の配管被害調査にも活用されています。
都市の成長と設備の老朽化が同時に進むモートンベイ市
モートンベイ市では、都市の成長が続く一方で、老朽化した既存インフラへの対応が課題となっています。さらに、過去の自治体統合などを背景に既存配管の正確な状況把握が難しい場所や、樹木の根が配管内に侵入し、ひび割れや破損につながるケースもあり、地中に埋まっていて人の目では確認できない配管を、どのように効率よく点検・維持管理していくかが求められています。
配管が建物の壁や地中に隠れていて人の目が届かないという構造上の制約は、日本の現場でも変わりません。日本でもインフラの老朽化が進む一方、維持管理を担う技術者の不足が課題となっており、限られた人員で効率的に点検・維持管理していくための技術が求められています。
日本とモートンベイ市に共通するインフラ老朽化や維持管理の課題に対し、日本国内の建設設備の現場で培ってきた技術がどこまで解決策となれるのか。それが今回の実証の主題です。
11月から現地実証へ モートンベイ市での実装とその先の海外展開を目指す
今回の技術実証では、日本国内のさまざまな現場で培ってきた技術と知見を生かし、モートンベイ市の実際の配管内部を「配管くん」で調査します。これまで人の目では確認しづらかった配管内部を可視化することで、異常箇所の早期発見や、点検・修繕が必要な場所を判断するための情報として活用できるかを検証します。
今後は本年9~10月にモートンベイ市や関係機関と実証内容や実施環境などの調整・準備を進め、11月~2027年1月にかけてモートンベイ市で技術実証を実施する予定です。
2027年2月以降、現地で得られた結果や課題を取りまとめ、モートンベイ市での実装・ビジネス展開に向けた検討を進めます。さらに、2027年5月に開催される「SusHi Tech Tokyo 2027」において、本プロジェクトの成果を発表する予定です。
弘栄ドリームワークスでは、今回の選定をゴールではなく、「配管くん」が海外のインフラ課題に挑むスタートと位置づけています。モートンベイ市での実証を足掛かりに、現地での実装、さらには同様のインフラ課題を抱える海外都市への展開を目指してまいります。
今後のスケジュール

東京都「キングサーモンプロジェクト 海外都市課題解決コース」とは
「キングサーモンプロジェクト 海外都市課題解決コース」は、東京のスタートアップによるアイデアや技術力を活用し、海外都市が抱える課題の解決と、スタートアップの海外での事業展開・成長を目指す東京都のプロジェクトです。
本コースは、東京発の国際都市ネットワーク「Global City Network for Sustainability(G-NETS)」に参加する海外都市と連携し、現地での実証プロジェクトを通じて都市課題の解決を図るとともに、持続可能な都市を高い技術力で実現する「Sustainable High City Tech Tokyo=SusHi Tech Tokyo」のグローバルな推進につなげることを目指しています。
第3期となる今年度は、オーストラリア・モートンベイ市とイタリア・ローマ市を実証の舞台として実施。各都市が提示する課題に対して日本のスタートアップが解決策を提案し、選定された企業が現地で技術実証を行います。
弘栄ドリームワークスは、モートンベイ市が掲げる「災害予測・対策/インフラ設備維持管理」をテーマに、「配管くん」を活用したソリューションを提案しました。
代表取締役会長 船橋 吾一 コメント
今回、「キングサーモンプロジェクト」に採択いただき、私たちが建設設備の現場で培ってきた技術を、オーストラリア・モートンベイ市という新たな環境で実証できる機会をいただいたことを、大変意義深く感じています。
日本ではインフラの老朽化が進む一方、建設設備を支える人材の不足も深刻になっています。私たちはこれまで、こうした現場の課題に対し、人の経験や技術だけに頼るのではなく、ロボットやデジタル技術を組み合わせることで、より効率的かつ持続可能なインフラ維持管理のあり方をつくれないかと考え、「配管くん」の開発を進めてきました。
今回のプロジェクトは、その技術が日本とは環境の異なる海外都市でも通用するのかを検証する大きな挑戦です。同時に、建設設備の現場から生まれた技術が、世界のインフラ課題の解決にどこまで貢献できるのか、その可能性を示す機会にしたいと考えています。
今回の実証を一度きりの取り組みで終わらせるのではなく、モートンベイ市での実装、さらには他の海外都市への展開につなげていくことが私たちの目標です。日本の建設設備の現場で培ってきた技術を世界のインフラを支える技術へ。今回の挑戦を、その第一歩にしたいと考えています。
会社概要
会社名 : 株式会社弘栄ドリームワークス
所在地 : 山形県山形市風間地蔵山下2068
代表者 : 代表取締役会長 船橋 吾一
事業内容 : 施工管理育成支援事業、管内調査DX事業、建設業プラットフォーム事業
公式サイト: https://koeidreamworks.jp/
関連プロジェクト・公式サイト
キングサーモンプロジェクト
東京都が、海外都市の課題解決と日本のスタートアップ等の海外展開を支援するプロジェクトです。
公式サイト: https://kingsalmon.metro.tokyo.lg.jp/
Global City Network for Sustainability(G-NETS)
東京都と海外都市が連携し、都市が抱える共通課題の解決を目指す国際都市ネットワークです。
公式サイト: https://www.g-nets.metro.tokyo.lg.jp/ja/
SusHi Tech Tokyo
東京都が、持続可能な都市の実現に向けたイノベーションを国内外へ発信する取り組みです。
公式サイト: https://sushitech-startup.metro.tokyo.lg.jp/
東京都「キングサーモンプロジェクト 海外都市課題解決コース」について、東京都からも本プロジェクトに関するプレスリリースが発表されています。
東京都発表のプレスリリースはこちら
URL: https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/09/2026091801