サメ「ブカンイ」が話題に、韓国釜山・北港に約57万人が訪問

釜山・北港から広がる、新たな日韓観光・文化交流

2026-10-21 20:00
株式会社クリームエンタテインメント
韓国・釜山港の北港に現れた一匹のサメ「ブカンイ」

韓国・釜山港の北港に現れた一匹のサメ「ブカンイ」

韓国・釜山港の北港(プッカン)に現れた一匹のサメ「ブカンイ」が、新たな観光コンテンツとして注目を集めている。

2026年9月16日に北港に姿を現した「ブカンイ」は、SNSなどを通じて瞬く間に話題となった。

釜山東区によると、ブカンイの登場以降、これまでに約57万人の観光客が北港を訪れたという。

これを機に、北港の新たな魅力に加え、釜山駅や釜山港、旧市街に残る歴史・文化資源を一体的に発信し、釜山東区を日本人観光客にとっての新たな観光地としてアピールするとともに、日韓の観光・文化交流のさらなる発展につなげようという期待が高まっている。

かつて港湾・物流の拠点として機能してきた北港は、現在、市民や観光客が海を眺め、散策し、ゆったりと過ごせる新たなウォーターフロントへと生まれ変わりつつある。

北港を擁する釜山東区には、釜山の玄関口である釜山駅や釜山港があり、その周辺には釜山の近現代史を今に伝える旧市街が広がっている。

港と都市、歴史と新たな観光資源、そして釜山の過去と未来が一つの場所で交わる。

それが、現在の釜山東区と北港の大きな魅力となっている。

カン・チョルホ釜山東区庁長「ブカンイから李仲燮とマサコまで、日本の皆さんに伝えたい物語がある」

カン・チョルホ釜山東区庁長

カン・チョルホ釜山東区庁長

カン・チョルホ釜山東区庁長は、北港の新たな観光資源として注目を集める「ブカンイ」について、次のように述べた。

「2026年9月16日にサメ『ブカンイ』が姿を現して以来、これまでに約57万人の観光客が北港を訪れました」

さらに、北港の変化について、「北港は、かつて港湾や物流を担っていた場所から、市民や観光客が海を楽しみ、ゆったりと過ごせる新たな都市再生の拠点へと生まれ変わりつつあります。ブカンイをきっかけに、北港の魅力が韓国内だけでなく、日本をはじめとする海外にも広く知られることを期待しています」と語った。

また、カン区庁長は、釜山東区と日本を結ぶ歴史的・文化的なつながりにも言及した。

釜山東区の凡一洞(ポミルドン)には、韓国を代表する画家・李仲燮(イ・ジュンソプ)と、日本人の妻・山本方子(マサコ)にまつわる物語が残されている。

朝鮮戦争当時、李仲燮はマサコと二人の息子とともに凡一洞で暮らしていた。その後、妻子が日本へ渡り、家族が離れ離れになってからも、李仲燮は妻や子どもたちへの深い愛情と切ない思いを作品や手紙に残した。

現在、東区では、二人とその家族の記憶を伝える「李仲燮文化通り」をはじめ、地域に残る歴史・文化資源を生かしたまちづくりが進められている。

カン区庁長は、「東区には、李仲燮とマサコが家族としてともに過ごした日々や、離れ離れになった後も変わることのなかった家族への深い愛情が刻まれています」と述べ、さらに、「二人の物語は、韓国と日本の歴史が、単なる国家間の関係だけではなく、人と人が出会い、愛し合い、家族となってきた歴史でもあることを伝えてくれます」と語った。

続けて、「東区では、こうした大切な歴史や文化を受け継ぎながら、地域の新たな魅力として生かす取り組みを進めています。日本からお越しになる皆さんには、生まれ変わりつつある北港だけでなく、東区の街に息づく日韓のさまざまな物語にも触れていただきたいと思います」と呼びかけた。

今後の展望については、「ブカンイや北港という新たな観光資源と、李仲燮とマサコの物語をはじめとする東区の歴史・文化資源を結び付け、日本人観光客の皆さんに『訪れたい、歩きたい、滞在したい』と思っていただける街をつくっていきたいと考えています。また、日本の地域や都市との観光・文化分野における友好交流も、さらに広げていきたいと思います」と意欲を示した。

キム・ジェホン釜山東区議会議長 「“ブカンイ”という特別なお客さんが訪れた北港を、釜山の新たな観光名所に」

キム・ジェホン釜山東区議会議長

キム・ジェホン釜山東区議会議長

キム・ジェホン釜山東区議会議長は、ブカンイの登場によって注目を集める北港について、次のように語った。

「新しく整備された北港に、ある日『ブカンイ』という特別なお客さんがやって来ました。それをきっかけに、多くの観光客が北港を訪れるようになりました」

また、釜山を代表する観光地と比較しながら、北港ならではの魅力を強調した。

「釜山には海雲台(ヘウンデ)や広安里(クァンアンリ)など、日本でもよく知られた観光名所があります。しかし、実際に北港を訪れていただければ、ここにも海雲台や広安里に負けない、美しい海と都市の景観が広がっていることを感じていただけると思います」

さらに、「北港では、釜山港の海と都市の風景を同時に楽しむことができます。釜山駅や旧市街からのアクセスも良く、観光地として大きな可能性を秘めています」と説明した。

そのうえで、「今回のブカンイの登場が、韓国内だけでなく、日本をはじめとする海外の皆さんに『北港という、もう一つの釜山』を知っていただくきっかけになればと思います」と期待を寄せた。

ユン・ジョンソプ釜山東区議会議員「釜山の歴史と未来が共存する東区から、日韓をもっと身近に」

ユン・ジョンソプ釜山東区議会議員

ユン・ジョンソプ釜山東区議会議員

ユン・ジョンソプ(尹程燮)釜山東区議会議員は、釜山東区が持つ観光地としての可能性と、日韓交流の重要性について語った。

「毎年、北港や釜山東区には多くの日本人観光客が訪れています。東区を単に釜山駅を通り過ぎる場所としてではなく、街を歩き、滞在し、釜山のさまざまな物語を発見できる場所として、日本の皆さんに知っていただきたいと思います」

また、東区の歴史的背景と現在の変化について、「釜山東区は、古くから日本との交流が続いてきた地域です。現在も在釜山日本国総領事館があり、釜山の近現代史を色濃く残す旧市街が広がっています。一方で、北港再開発によって、新たな釜山の未来が形づくられつつある場所でもあります」と説明した。

さらに、「つまり、東区と北港は、釜山の歴史と未来が共存する場所なのです。釜山駅から少し歩けば海に出会い、北港から旧市街へ足を延ばせば、今度は釜山の歴史や人々の暮らしに触れることができます」と、その魅力を紹介した。

ユン議員は、釜山と日本の地理的・歴史的な近さについても言及した。

「韓国と日本は、海を隔てた近い隣国です。そして、その海を通じて、長い年月にわたり人や文化が行き交ってきました。釜山港は、そうした交流を支えてきた重要な玄関口の一つです」

今後の日韓交流については、「これからは観光だけでなく、文化、都市再生、若者同士の交流、地域経済など、さまざまな分野で日本の都市とのつながりがさらに広がっていくことを願っています」と述べた。

最後に、「ブカンイをきっかけに日本の皆さんが北港を知り、北港を訪れたことをきっかけに東区の街を歩き、そこで新たな釜山の魅力を発見していただきたいと思います。そうした人と人との出会いが積み重なることで、釜山と日本の友好関係がさらに深まっていくことを期待しています」と語った。

「一匹のサメを見に来た人が、釜山という街を発見する」

釜山東区と北港の大きな魅力は、新しさと歴史が一つの地域に共存していることにある。

再開発によって生まれ変わりつつある北港のすぐ近くには、釜山の近現代史を今に伝える旧市街が広がっている。

釜山駅、釜山港、北港、そして旧市街を一つの観光ルートとして結ぶことで、旅行者は比較的短い距離の中で、釜山の海と歴史、都市の変化、そして人々の暮らしや物語に触れることができる。

そこに今回、一匹のサメ「ブカンイ」という新たな話題が加わった。

ブカンイは、行政が観光振興のために生み出したキャラクターではない。実際に釜山の海に姿を現した一匹のサメが、人々の関心を集め、北港を訪れるきっかけとなったのである。

「一匹のサメを見に来た人が、釜山という街を発見する。」

ブカンイをきっかけに北港を知り、北港から釜山東区の街へと足を延ばし、そこに息づく歴史や文化を通じて、これまで知らなかった釜山の魅力に出会う。

そうした旅の体験が、釜山と日本を結ぶ新たな観光・文化交流へと発展していくことが期待されている。

かつて釜山港を通じて韓国と日本の間を人や物が行き交ったように、これからの北港では、観光や文化、そして新たな物語が海を越えて行き交っていく。

釜山の歴史と未来が出会う場所、釜山東区・北港。

今、ブカンイをきっかけに、釜山と日本を結ぶ新たな物語が始まろうとしている。